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喘息アレルギー(喘息発作)の歴史と現状:治療法の進歩や環境改善で重症例は減少

- 喘息(ゼンソク)アレルギー

喘息アレルギー(喘息発作)の歴史と現状:治療法の進歩や環境改善で重症例は減少

喘息アレルギー(喘息発作)による死亡例が報告されてから50年余りたちました。近年、治療方法や対処療法の改善・進歩や大気汚染の改善、地球温暖化などのために重症例は減少傾向です

 アレルギー性疾患の治療で、この20年近くで最も進歩を見せたのは、喘息(ゼンソク)発作に対する処置だと思います。元来、気管支ぜんそくは死因にならないと言われてきました。病気の診断に使われる聴診器を作ったレンネック(1781〜1826年)は喘息(ゼンソク)は長寿の保証であるといい、オスラーも喘息(ゼンソク)患者はゼーゼーしても高齢になるまで生きられると述べられました。
 しかしながら、1960年に英国やオーストラリアで喘息(ゼンソク)発作による死亡例が報告され、日本でも同様な事故が起こり、喘息発作は非常に危険なときがあることが判明しました。発作による死亡は、時には突然起こったり、重症例では次第に悪化して発作持続事態から死亡することがあり、夜間はとくに警戒が必要となりました。英国の死亡例は、その半数が、喘息(ゼンソク)治療の特効薬である副腎皮質ステロイド剤の恐怖症のために、苦しいときにもステロイド剤をとらなかったために不幸を招いたものだと言われています。

喘息(ゼンソク)アレルギー

 幸いにして、この数年間は大気汚染の改善と、地球温暖化のために重症例は減少し、喘息死や喘息発作のために生活が障害される例は稀(マレ)になりました。喘息(ゼンソク)の治療方法の進歩は、喘息発作の原因解明が大きく寄与しました。従来より、喘息発作は自律神経の関与が深いものとされ、アドレナリンのような気管支拡張剤が著効を上げましたが、その効果が一時的なために繰り返し使用することが多かったのです。1960年代には、気管支拡張剤ネブライザーの使い過ぎによる死亡ではないかと疑われる事例が発生しました。
 今日では、喘息発作は、自律神経の障害によるよりは、気管支粘膜のリンパ球や好酸球などの細胞が異常に増殖して、気管支粘膜が過敏になって、痰(タン)のような分泌物(ブンピツブツ)を多量に分泌したり、気管支を収縮して呼吸困難が起きたりするというように考え方が変わり、リンパ球や好酸球を減少させると呼吸困難が軽くなることが判明しました。現実に、血中の好酸球という白血球が正常値であれば、重い喘息発作を引き起こさないですし、治癒(チユ)しやすいようです。
 喘息治療の特効薬である副腎皮質ステロイド剤は、血中に異常している好酸球を、2〜3カ月以内で正常化すると同時に発作を起こしにくくします。リンパ球や好酸球が重視される前にマスト細胞が喘息発作の誘発因子を作るという考えから、クロモグリク酸ナトリウム(インタール)やネドクロミールが発売されて、20年以上利用されてきました。しかしながら、作用が間接的のためか、副腎皮質ホルモンのように喘息(ゼンソク)の重い発作には無効です。稀(マレ)に、アレルギー体質が強いためか、ステロイド剤が好酸球を減少しないことがあり、治療が困難になります。近年、免疫抑制剤が改善されて、メソトレキセートやタクロリムス(FK506)がこんな人の血中リンパ球や好酸球に作用して奏功する例がありました。

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